避難時の飼い犬


 先日、東北地方を襲った巨大地震を思うと、しばらくの間は何も考えられずにいた。そして気がついた事。もし自分が被災して避難する時に、暮らしを共にしている2匹の飼い犬を一体どうしたら良いのか。と。

 災害時に、飼い犬を連れて避難する際の事を考えてみた。もし万が一の災害に備え、常日頃から非常持ち出し袋を準備しておられる方は多いと思う。自分には日頃から共に過ごしている飼い犬がいる。そういった時に本当にどうしたら良いかについて本気で考えてみた。

 とりあえずインターネット上で、飼い犬を連れて避難しても良いものかどうか、一般事例を当たってみることにした。

 災害時に飼い犬との一緒に避難する事は、以前であれば「人が優先で、犬を連れて行く等もっての他」と言われていたものだが、2004年の新潟県中越地震で、山古志村(現・長岡市)で起きた実際のエピソードを元に映画化された「マリと子犬の物語」のお陰で、以前ほど目くじらを立てて非難する人は少なくなっているようである。(その後の情報
 他にも、同じ新潟中越地震の際に、犬嫌いの方への迷惑を考慮され、自ら避難所に入らず車内で飼い犬と過ごしていた女性の方がエコノミークラス症候群で死亡した事故も発生した事も有り、以前ほど避難所で飼い犬と一緒に生活されている方への、あからさまな嫌悪も少なくなっている様である。

 逆に、放置された飼い犬が、のら犬となり野犬化して作業中の邪魔になる可能性や、食料が無く餓えていたり、作業従事者を咬む危険性もあるため、最近では、可能な限り飼い主と一緒に避難する方が望ましいとのことである。

 だが実際には、不特定多数の方が共に避難生活を強いられる中には、当然ながら犬嫌いの方々が存在するも事実。その方達への配慮も忘れず、避難所で飼い犬と一緒に過ごす際、お互いが少しでも快適に過ごせるように考える。

 一般的な事で言えば、飼い犬の大きさは関係なく、とにかく吠える犬は嫌われる。もちろん、人を咬む犬が一番嫌われるが、一般的にそのような犬と人は通常から人と一緒に過ごす事は出来ないであろうから問題外とする。

 ごく常識的に言えば、
 1. 市町村への畜犬登録は、必ず済ませておく。(鑑札番号を控えておく)
 2. 毎年の狂犬病予防接種は必ず済ませておく。
 3. 最低でも3種混合ワクチンで感染症予防を済ませておく。(できれば5種以上)

 最低でも、これら3つは済ませておいて欲しいもの。自分以外の不特定多数の犬が、同じ様に避難してくる事を考慮すれば、万が一犬同士の喧嘩が発生して、お互いに咬んだり咬まれたりした場合の感染リスクを無くすには、最低限の配慮であると考える。

 以前、知り合いの獣医さんに伺った時、稀に「家から出さないから予防接種はしません」とか「畜犬登録は不要です」と言われる方がいるそうだが言語道断である。今は一緒に避難所に連れて行くという前提だから、これらの言い訳は既に通用しない。
 もし「ウチは不要」だと言うなら、飼い犬は家に置いて行くしかない。厳しい様だが、一般的な社会義務も遵守されない方々に、権利云々を主張する事はできまないと考える。

 それでは、犬用の非常持ち出し袋とは何だろう。車での避難は渋滞する可能性もあるから、理想ではなく、実際に徒歩で避難する場合の「非常持ち出し」を考えてみる。

 1.首輪とリード。迷子札。
 犬嫌いの人も大勢いるから、首輪とリードは絶対に忘れてはならない。屋内で飼っている場合は、首輪やリードを着けていない方もいるだろうが、犬が万が一パニックになって飛び出したり、自分自身もあわてて逃げ出す事がある可能性を考えれば、日頃から首輪と迷子札を身につけさせておいた方が良い、とも言えるか。

 2.食料と水。
 避難所生活では人々への食料さえ不足する事を考慮。一般的に、飼い犬へ回す食料配給は無いと考える。
 常日頃から食べているドッグフードを用意しておく。できれば2週間分くらいは有った方が良いが、大型犬や多頭飼いでは、多くを持ち出すことは無理かも。救援が来るまでの時間を考えると、最低でも1週間分はあった方が良い。救援物資も人が優先なので、犬への配慮が回るまでの時間はかかると考えらる。水に関しては、人に回す方が優先されるかも。

 3.処方薬。
 人間でも同じ事が言えるが、日頃から服用している薬があるならば用意しておくべき。そんなものに頼らない様に、日頃から健康管理に気を配っておくってのは当たり前だが、そうは言っても、皆がみんな健康であるとは限らない。ならば、愛犬の常備薬に関しては、飼い主が責任もって準備しておくしか無いだろう。

 4.食器。(フード用と水用)
 他の物で代用は可能だが、強いストレスがかかっている状態では、何か一つでも日頃から使い慣れた物がある方が犬も落ち着く。ただし、食器なら何でも流用はできるから、無理に持ち出す必要はないだろうと思う。

 5.ペットシート(必要に応じて)
 日頃から屋外で排泄できるなら無くて済ませる事も可。室内から出した事が無ければ必要。ストレスから排泄困難になる事もあるらしい。

 おもちゃ、ゲージ、毛布やらは、車で避難出来るなら、もちろん有った方が良い。ただ、徒歩で避難する場合は、とにかく犬の食料を最大限に優先すべき。もともと 1日や 2日、何も食べなくても犬は我慢できるが、慣れない環境におけるストレスは半端では無い。満腹になれば気持ちに余裕が生まれるのは、人も犬も同じである。

 他に気を紛らわせる事の出来る人間と違い、飼い主以外に他に頼る事の出来ない。もちろん人間よりもストレスに強く、我慢強いが、できるだけ負担は少なくしてあげたい。それには、やはり、お気に入りの小さなおもちゃでもあればいい。
 もっとも、何も無くても飼い主が一緒にいるだけで犬は満足して落ち着いているもの。飼い主も不安ではあろうが、犬に因って癒されるのなら、少しでも犬を落ち着かせ、安心させるくらいの心配りは有っても良いのではないだろうか。犬から全面的に頼りにされているのだから期待には応えてあげたい。
 
 しかし、本当に重要なのは、常日頃からの「躾」だと考える。長くなるので、この話は次回。

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