犬の糞

 食餌をすれば必ず糞をする。生きとし生けるもの全てに通じる理であるのだが、本当に犬の糞ほど迷惑な物はない。それは犬が悪いのではなく飼い主に全責任がある。糞を拾うという「飼主としての最低限のマナー」をしない輩が多いので、糞の苦情は後を絶たない。
 例え、道路以外の場所であったとしても、放置された糞を目にして気分の良くなる人は居ないであろうし、不幸にも道路に放置された糞を踏んでしまう事でもあれば、不快度はさらに高まるだけで良い事は何一つない。本当に迷惑を被っているのは、犬嫌いの人達でなく、きちんと犬の糞の処理をする全ての人たちなのだ。

 糞の処理は、何も難しい事では無い。ボケットに袋を入れておき、袋越しに糞を取って結んでしまえば臭わないし手も汚れない。後は、家に持って帰り燃えるゴミと一緒に処分すればいいだけだ。ポケットテッシュを持参して、地面に付いた分まで処置してくれれば完璧だ。
 ペット用品店に売ってる様な「糞処理専用の袋」など必要ない。店のレジで豆腐や肉等を入れてくれる薄い袋で十分なのだし、燃やしても問題の無いキッチンポリ袋であれば 200枚入った物が、わずか 198円で済む。食パンの袋や買い物袋でも問題は無い。決して高い費用がかかる訳では無いのだ。単に、ほんのわずかな手間を惜しむかどうか、飼い主の気持ちだけの問題。これだけで人間性が判るとまでは言わないが、だからこそ目にしただけで不愉快にもなるわけだ。

 公園等に掲示されている「犬の糞の処理は飼い主のマナーです」という看板が有る。全ての飼い主が飼い犬の糞の処理をしていれば、この世に存在すらしない掲示である。字の読めない飼い主が如何に多いかは、さらに「犬の散歩はお断り」の看板が存在していることで判るだろう。
 他人の家の庭先や玄関先に、平気で放置している人も存在しているわけだから、不特定多数の人が利用する公園で飼犬の糞を放置するのにも「何の疑問も感じない」と言うのだろう。

 実際に飼ってみれば判る事だが、犬は、おおよそ決まった場所で糞をする。前日に放置した糞を目にする事も多い筈なのに、それを見ても何も感じないのは、それほどにまで心が荒れてしまっているのだろうか。もし無くなっていれば、他の人がワザワザ片付けてくれたのだと、なぜ気がつかないのだろう。
 道路に放置された糞が、人や車に踏まれたのを目にしても何も感じる事が無い訳だから、人への迷惑とか配慮の心を無くしてしまっているとしか思えない。言ってみれば「自己中心的」で「思いやりの無い」人と言う事か。
 他人の物と知ってを盗む人もいる。火事場泥棒や空き巣に入る人もいる。八つ当たりで無関係の人を殺す人もいる。人もそれぞれで、良い人ばかりが世の中にいる訳では無い。と、諦めていい問題ではない。せめて「犬を飼っている人に悪い人はいない」というイメージは守りたい。

 書かれた文字を見ても読まない人に、心の無い人に不快さを訴えても何も通じない。一体どのようにしたら、きちんと自分の飼い犬の糞の処理をしてもらえるようになるか分からない。言葉の通じない人にいくら言葉で説明しても無駄なのだから。
 糞が汚い物だという意識は、誰にでもあるはずだ。自分の飼い犬の糞でさえ汚くて触れないと感じているのに、他の人はそう感じないだろう、と言うその感覚がわからない。自分一人だけが良ければ、他は関係ないという独りよがりの感覚しか持っていないのだろう。

 本来、犬の健康状態に気を配っている愛犬家にとって、糞は貴重な情報元である。言葉を話せない犬から教えてもらえる事は、糞の固さと臭いで、食餌が体に合っているか、量は大丈夫か、体調はどうか、寄生虫がいないか等々、獣医さんに聞かなくても分かる事が沢山ある。それは糞の色では判らない。色は何を食べたかでコロコロ変わる。糞の色で健康状態を判断する事は出来ないから、実際に手に取らなければ判らない事なのだ。

 食餌が体に会わなければ便は柔らかくなる。人間も同じだから異存は無い筈だ。便が硬いのも、体になんらかの異常があると判断出来る。便が固すぎず柔らかすぎないという感覚は、毎日調べなければ判断出来ない事の一つだ。
 意外に思うかもしれないが、排出したばかりの糞は、無臭とは言わないがほとんど臭いが無い。放置され腐敗がすすんだ糞の強烈な臭いを知っていると本当に意外なのだが、健康な体から排出された直後の便には臭いは殆ど無いと言ってよい。排出したばかりなのに臭いがキツい時は、犬の体になんらかの異常があると判断出来る。

 もともと純血種の犬は雑種に比べて胃腸が弱い傾向にあるそうだけど、その上、秋田犬は、一般に販売されているドッグフードは体に合わないことが多いらしい。大概において便がドロドロになる傾向にある。
 戦前までの日本人の食生活と外国人の食生活が異なるのを知っていれば、容易に想像できるけど、大昔から日本人とその生活を共にしてきた純粋の日本犬にとって、一般的に販売されているドッグフードは洋犬を基準に調整されているため、日本犬にとっては、高タンパク、高脂肪、高カロリー、と言う事らしい。記載されている分量を守っているのに太り過ぎだと感じている人は心当たりが有ると思う。

 だからといって特殊なドッグフードが必要かというと、そうでもない。日本犬専用と書かれたドッグフードである必要も無い。ちょっと手間かけて何種類かのドッグフードを混ぜ合わせれば済む。僕の場合は、何種類かの国内産のドッグフードに国内産のキャットフードを混ぜ合わせた上に、ペット用煮干しをトッピングして与えたら柔らかすぎる便の問題は解決した。後は便の硬さに注意して量を計り、食べさせ過ぎに注意するだけだ。犬の食べたがる所作に騙されがちになるよりも、正直な体に聞いた方が良い。

 個々の犬が、それそれに持って生まれた体質もあるし、一概には言えないだろうけれど、犬の健康管理は、飼っている人に全てが委ねられているのだから、その責任は重大である。決して、いい加減や、適当で済まさないで欲しいと願う。
 ほんの少しだけ、日々の様子に気を配っていれば、病気に対してかかる費用も少なくて済むのは、人間にも同じ事が言える筈だ。せっかく毎日ある、その情報収集の機会を見逃さないで欲しい。

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One Response to 犬の糞

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