記憶の淵にあるワープロ

以前にもブログに書いたけど、個人的なパソコンの中で少しわだかまりがあったので、その記憶を紐解いてみる。

 今から 10年以上も前、時は世紀末。当時からモバイル機器が欲しく PDA 等も探したが、どれも文字入力に難があったので手を出せずにいた。
 そこへ富士通から INTERTOP というタブレットを先取りしたような機種が発売された。購入したのは改良版の model 20 という人気機種で、値引きも無く、注文しても 1か月待ちという状態で手に入れた。(Red)
 ワープロでもないのに OASYS KEY 配列を搭載し、タッチパネル、HDD の代わりにコンパクトフラッシュを内蔵したゼロスピンドルマシン。
 モバイル機器だと認識していたのだが、バッテリーが実質 2時間も持たずに屋外ではまともに使えないという企画倒れの商品だった。いつでも何処でも思いついたら直ぐにテキスト入力できるものと期待していたのに、使い物にならず使用を断念した覚えがある。その後の新機種との互換もなく旧製品はサポートも早々に打ち切られてしまった。

 内臓モデムからFAXをプリンタ代わりに使用し、パソコン通信機能を持ち本体のみでニフティに接続できていた。富士通からのサポートは無くなった状態でも、活発なコミニティでユーザが協力して、色々なツールやユーテリティなども独自にサポートしていたような気がする。
 富士通にはこういったコアなユーザが付く製品が多い。毎回、目の付け所はソニーやアップルの先を行っているのだが、いつも技術の方が追いついてこないのだ。製品への期待値は非常に高いので一部のマニアや熱心なユーザは飛びつくが、一般的には使い物にならにならない非常に残念な製品が多いような気がする。

 リサーチして掴みも完璧、需要を掘り起こしてもいるのにも関わらず、肝心の製品が期待に応えられないという結果に終わってしまう。当然、商業的には大失敗となるので、同一コンセプトは打ち切られて次につながらない。
う〜ん、時機早計なのか?

 日本の工業製品全般に言える事だけど、特に富士通の製品はどれもデザイン的にも野暮ったくあか抜けていないのでインテリアとして飾っておくにも無理がある。
 僕の感じる当時では時代が付いて来なくてとても残念に終わった製品の中で、新しい技術で作り直したならば確実にヒットしたであろうと思う物はいくつかあるが、代表的な物は次の3点かなぁ。
 
1. OASYS pocket (& INTERTop)
2. FM-R30 HD
3. OASYS From9
 
 
 特に OASYS pocket に関しては、ポメラを見てその思いが強くなった。今でこそ、あのコンセプトが生きてくるのではないのか、なんてね。今の技術で新たに作り直したならばポメラや VAIO type P なんて目じゃないと思うのだが。まぁ、絶対に富士通は実行しないだろうなぁ。切り捨てた過去の商品だろうからね。
 でも NECだって Android技術を使って、かつてのモバイル端末、MobileGear(通称「モバギ」)を復活させたじゃない。商品名こそ「LifeTouch NOTE」とか言っちゃってるけど。そういった通信機能もあってもいいけど、そうなっちゃうと商品の性格も変わってしまうしバッテリー時間も短くなってしまう。だから、それはそれ、これはこれで素直に 2種類の製品を出してくれれば別に問題ないと思うんだけど。

 文書入力専用のモバイル機器なのでパソコンの一周辺装置という扱いだ。パソコンである必要性は全くないので、独自規格でもかまわない。だから 64bit CPU に拘る必然性もないし、内部的には 16bit の MS-DOSでも、32bitの XPでも一向に構わない訳だ。まぁ今更1から新規にシステムを作るのは現実的では無いしフォント等の細々した回りの問題もあるので、開発環境や日本語の文字が一通りそろっている Linuxか BSDあるいは Androidが妥当な線だろうけど。独自のディストリビューションになるだろうけど、その方が後々の拡張も楽だろうしね。
 インターネットにつなぐ必然性もないから無線もモデムも必要ない。余計な装備は一切無く、ただ物書きに徹した単機能、だけども真の意味で動作が軽快で、単 3型乾電池 2本で 24時間連続の長時間使用できて、なおかつ電源を切っても 2秒以内で元の入力画面に復帰して欲しい。今の時代 1台で何でも出来ますっていうようなメニュー画面なんか全くもって必要ない。とにかく素早く、前の続きから再開できれば最高だ。

 拡張性も必要ないので、オンボードのフラッシュメモリの中にシステム、かな漢字変換辞書、日本語フォントを複数入れておけば、後々のバージョンアップにも対応できるだろうし、作業中の文書ファイルのバックアップ領域としても使える。仮にメモリカードが無くても、かなり長い書類を 1文書くらいなら保存もできるだろう。

 文書データはマイクロ SD/HDSDカードに保存。 PCとのやりとりは USBケーブルで行い、ケーブルをつないでいる間に充電もできたらうれしい。ファームウェアのアップデートや専門辞書やフォントのインストールも USB経由でできれば十分だ。
 文字入力という機能だけを求めた場合、カラー液晶の優先順位は低い。とにかく乾電池で最低限 1日の使用を可能にしてくれればいい。 LEDバックライトだけは電池が許せば付けて欲しいけど、快適な文書作成という一点に特出すれば、その程度の機能でも十分なのだ。
 PDAの機能さえ必要ない。PDFが読めたり、写真をレタッチしたり、はっきり言って「あれば便利かも」という様な機能は無くても一切構わない。
 今更ながら、自分にとって OASYS lite F.ROM10 が、どれほど快適な文書作成環境を提供してくれていたかを思うと、他の機能は全て余計な物だったのだということが判る。他の作業が何も出来無い方が気が散らなくて済む。それが特徴。

 ただフットワークが軽く何処でも使える OASYS KEY モバイル文書入力機として復活してくれることを、本当に心から切に望むのだけどねぇ。ぶっちゃけ印刷機能を持たないのだから清書機能も必要が無い。そうなってくるとワープロとは呼べないかも知れない。そう、実を言えば高機能な日本語用の EDITOR が欲しいだけなのだ。
 扱えるデータはごく普通のプレーンテキストで、表示は HTML5でもいいかな。ビューワーとしてCSSをサポートするブラウザさえ内臓しておけば、見かけはいかようにも変えられるだろうし。必要ならタグ挿入のアシスタント機能を追加してくれればサイトの Webページ作成用にも使えない訳でもなからろう。

 もっとも、そんなことは転送先のパソコン側で作業すれば良い事で、なんでも 1台で済まそうという発想は捨ててしまったほうがいい。その方が余計な事に一切気を取られなくて済むから、最終的に作業効率は高くなる。大事なことは文書の内容であり、安易なコピペ文章を排し、誤字・脱字の無い文章を作ることなのだ。
 必要なアプリケーションはユーザに作ってもらうっていう手もある。SDK等の開発環境や内部情報を無償で公開して、JavaScriptや HTMLや SQLite/等々、利用出来る物は何でも取り入れて、誰でも自由にプログラムを作れる環境をユーザーに明け渡してしまえば、必要なアプリケーションはほっておいても勝手にユーザが作ってくれる。
 MS-DOSや Windowsに比べてアプリケーションが少なくて使い物にならないといわれ続けてきた Apple製品の MacBook, iPhone, iPad だって、元はそうやって無償で開発環境やツールを提供したからこその今があるのだから。メーカの責任として一番最初に提供する物は、本当の意味で使い易い日本語入力環境を提供することに集中すればよい。

 欲を言えば、あまり小型化するのにこだわらず VAIO type P のような形と大きさで、フルサイズの OASYS KEY 配列キーボードを搭載してくれたら、もう何も言う事はない。そんなモバイル文書入力機と、静止/動画カメラ付きの PCM対応 ICレコーダ(携帯に PCM/MP3長時間録音機能が付けば良いだけ)さえあれば「どこでもインタビュー&物書き」のできあがりってか。

 昨今のカラー液晶を搭載した電子辞書の 130時間や携帯の通話時間を見てるとカラー液晶とバックライトを付けても、電力を食う無線機能が無ければバッテリー駆動で 1日の連続使用時間っていうのは無茶な要件とも思えないのだけどね。
 今更、富士通から商品が出る事はありえない事だとしても、こだわりの HHKを作っている子会社 PFU辺りが作ってくれないかしら。マジで…

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2 Responses to 記憶の淵にあるワープロ

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