もはや Light Weight Sportの時代は来ない?

 先日、富士スピードウェイで、トヨタとスバルが共同開発していた「FT−86」が、正式に「86」という名称で来年の春にも発売されるという記事を見た。
 噂で、僕らが社会人になったばかりの頃に発売されていたトヨタの FR車「スプリンター・トレノ」「カローラ・レビン」の性格を引き継ぐと聞いていたから、実は密かに期待していたのだけど、スペック表を見てコレはちょっと違うぞ? と思ったしだい。

 ってか、これ、はっきり言って 86じゃないでしょ? これは「スプリンター」じゃないよ、見た目もスペックも。どっちかってぇと、ひいき目で見て「セリカ」って感じだよ。これで「セリカ復活」って言えば素直に信じられるし「良かったねぇ」って喜べるんだけど。
 だってコレ、見た目からして全然「軽そう」じゃ無い。全くと言って良いほど「軽やかさ」が感じられない。ヒラリ感っていうか、キビキビ感ていうか、そんな、いかにも「Light Weight Sport」って感じが、さ。
それよりも「流面形セリカ復活」の方がピッタリの様な気がするんだが。

 なんとなくデザインも、往年の名車「2000GT」に似せようとして失敗しちゃったけど「ちょっと未来ティストに味付けてデザインにしてみました。って言えば許してくれるかしら?」って感じがプンプンして、個人的には「なんか嫌だなぁ」って思う。なんで「野暮ったく」なっちゃうわけ? 不思議だ。

 スペック表を見てみる限り、どう考えても「軽量・コンパクト」じゃないよね。なんだかなぁ〜 もしかしたらデザイナーが「 Light Weight Sport」って車のカテゴリーを知らないのか、勘違いしているってしか思えない。
 あまり車に詳しく無いこの僕でさえ、エンジン排気量、パワーを支えるシャーシを考えてみたら、絶対に軽く 1,000kgを超えているって想像出来る。一体どのツラさげて「Light Weight」と言えるんだ? と、思うんだけど。

 これって外国仕様かな。どう考えても国内向けじゃない。そう考えれば納得はできないけど理解は出来る。あるいは今の国内の「若い人向け」に、どうやったって「車」が売れないから最初っから当てにしてないのかも。
 だって、この仕様じゃ、どう安く見積もってもベース車両の価格は高くなって、就職したばかりの若い連中には手が届かないと思うよ。諸経費込みで 160万円。ギリギリ今も昔もコレくらいが限度だろ?
 僕が車を買った時みたいにはいかないよ。今の時代に、エアコン、パワステ、パワーウィンドウ、ABSやエアバッグの無い車って、多分売れない。売っちゃ駄目て訳じゃないだろうけど、そんな車を買ってくれる人はいないって。

 当時の我々にトレノやレビンが買えたのは、当時としても比較的、安価な車両だったからだ。社員寮に住んで、日頃から無駄使いを我慢して、仕事も頑張って、ちょっこと残業もして 2〜 3年努力すれば手が届く位の値段だったからだ。僕らの基準からしても、最初に「価格」ありきだったんだ。だから当時の 1600ccクラスが良く売れたんだ。
 ’80年代当時の「軽」は、少し前に 550ccに改訂された頃で貨物車両が主流。乗用車タイプは 660ccに改訂されてからだから発売前。我々に頭の中には自家用車と言えば普通車しか対象に入らなかったのも事実だけどね。
 ベースが 1300ccクラス OHCエンジンのボディの車に 1600ccの DOHCエンジンを載せりゃ、そりゃパワーが有り余って速かろう。当時からしてハイオク仕様なんて金持ちの乗る車だったんだから、ハナっから問題外だったんだ。

 余計な体脂肪は落としてスレンダーにはなっても、出る所は出て、引っ込む所は引っ込んでて欲しいのに、出る所を強調しすぎてボディコンになっちゃったって感じだよな。ボインボインなら老いも若いも、とにかく男が喜ぶだろうって思っているのかしら? なんか、そんな感じさえする。
 だから見た目からして重そうで動き難そうで、なるほど直線道路は速いかもしれないけれど、身軽さや軽やかさが感じられない。言い換えれば、この車は「スポーツカー」かもしれないけれど「ライト・スポーツ」の爽やかさが感じられないんだ。
 例えるなら「レーサー」がプロスポーツの選手ならば「スポーツカー」はオリンピック選手。そして「ライト・スポーツ」はアマチュア選手。見た目は努力しているけれど、純粋な意味で「スポーツカー」じゃ無いんだよね。普通の人が「ちょっと努力」すれば手が届く範囲に在る事が大切なんだ。

 僕の主観では「女子高生の短距離選手」が「Light Weight Sport」のイメージに一番近い。小悪魔的な「女子大生」や、ボディコンスーツに身を包んだ、お色気タップリの「OL」では絶対に真似の出来ない様な、ストイックな少女の清々しさが感じられる雰囲気。それでいて少しだけ、ぎこちない「大人の色気」が出ているみたいな?
 だから「女子中学生」の少女そのものじゃ物足りないし、さらに下の「小学生」のお子様じゃ全く話にならない。そんな雰囲気なんだ。あ、僕は男だから、車に女性イメージを投影してしまうのは許しておくれ。

 大人でも子供でもない微妙な年頃の少女がもつ爽やかさに似た物がなくっちゃ、折角のイメージが台無しになっちゃうんだよね。だから絶対に、自分以外の何かに「媚び」ちゃだめなんだ。
 将来は何になるかわからないけれど、とりあえず今は損得も考えず、ひたすらスポーツに全身全霊をかけている様なひた向きさが大切。それも親やコーチ等の大人に言われたからでなく、自らが追い、信じて求め続け、努力しているような姿に惚れるんであって、欲が絡んだ大人が寄って集って駄目にしちゃった姿なんか見たくもないんだよね。

 性能的にも、絶対的なパワーが必要な訳じゃないし、軽さが全てでもない。小さければ良いって物でもない。無駄な物は何一つ無いけれど、最低限必要な物は全て揃っているって感じかな、様はバランス。
 それでいて「あとひとつ何かが足りない」感じのする、未完成で荒削りな雰囲気もあってほしい。一生懸命に背伸びしているけど、やっぱり少し届かない様な未熟な果実かな。オーナーが自分好みに変えても良い様な「隙」も必要なんだ。そう、彼女は自分だけの「マイフェア・レディ」なんだよ。

 パワーウェイトレシオが高い方が良いけれど、だからと言ってピーキーで取り回しの難しいエンジンでは意味が無い。例えば「トルクが 5,000回転以下になるとスカスカ。回転数を維持してクラッチをつなぐ必要がある」なんて、普通の青年に運転できる分けないじゃん。自分でそんな風に改造しちゃった人なら別だけど。
 その車を扱うのはレーシング・ドライバーじゃないんだ。就職したばかりで運転も初心者の青年が、初めて車の楽しみを知るために乗る訳なんだから、運転のし易さはとても大切な要素。取り回しのし易さから、小型の車を選ぶ。初めに小型ありきじゃないんだよね。だって小さいのが良ければ、最初から「軽」に乗ってるってば。

 普通に考えればレース場でも無い限り、日本国内の一般道路でスピードの出る車なんて意味は無い。だったら制限スピードで走るのも辛い様なワンディングロードを制限スピードよりも、ちょい速い位のスピードで駆け抜ける事の出来る車の方が、多分、運転する方は何倍も楽しい。
 地を這う様な安定感のある、それでいてヒラリと身をかわせるような身軽さを合わせ持つ車の方が乗っていて楽しいに決まっている。だから別にドリフトしながら駆け抜けるのが楽しい訳じゃないんだよ。

 僕の主観では、車を走らせて楽しいのはワインディングロード。決して直線の速さなんて求めていない。信号でのゼロヨン性能なんて求めてもいない。エンジンパワーで比べたら絶対にオッサン車のマジェスタやクラウンに勝てる訳無いんだ。
 取り回しやヒラリ感が大切なのは、多分にそんな所にもある。今更、そんな車って誰も買わないんだろうか。車両メーカが提案してくるのがこの程度じゃ、今の世に「Light Weight Sport」の存在する場所は無いんだろうなぁって、僕は感じたんだよね。

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One Response to もはや Light Weight Sportの時代は来ない?

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