中華ラジオを買った(その 4)

PL-390&pomera 先日購入した中華 BCLラジオ TECSUN PL-390について 3週間ほど使用した主観的な感想、今回は当初の目的でもある BCLに関して短波放送受信性能や使い勝手について記録するつもりだったが、まだマトモにワッチしてないんで実はよく判らない。オートチューニングで適当に拾った範囲では感度も分離度も、そこそこ良さげな感じ。
 秋の夜長、もとい既に冬の寒さに凍え始めてて先月 11月半ばだというのにも関わらず我慢出来ずにストーブを点けてしまったので、コレからは子供の頃みたいに布団に潜り込んで「冬の夜の楽しみ」或いは「寒い朝の楽しみ」って感じで楽しもう。それにしても枕元でログノート代わりに使うポメラと並べて見ると余計に小ささを実感。

 遥か遠い過去の話とは言え、かつて BCLをやっていた者にとって『冬の電離層は大人しい』事は周知の事実。遠くの放送が聞こえて来る可能性は非常に少ないと判っているので、ボチボチのんびり楽しむ事に。
 もっとも、ソレ以前に僕が中学生だった頃と比べたら、短波帯で日本語放送を流している放送局が激減している。聞く所によると、当時の 1/3以下になっているとの事。有名な所ではロンドン BBC放送局や、笑いカワセミの鳴き声が特徴的だった ABCラジオオーストラリア等、とうの昔に日本語放送を中止し既に 20年以上が経過しているし、最近はインターネットラジオが主流になってしまった感があるので、わざわざ雑音の中から強弱する信号を拾うなんて、確かにノスタルジック以外の何者でもない。

 思い起こせば 40年近くも前のこと、僕は中 1の頃に修理した真空管ラジオで初めて ABCラジオオーストラリアのワライカワセミの声を聞いた時、自分の両耳がカッと熱くなったのを異様なくらいハッキリと覚えている。受信感度を上げる為に、自分で屋根下に電線を這わせ外部アンテナとして使っていた。
 当時、ベイシティローラーズというイギリスのロックバンドが世界的に全盛になるのだが、まだ日本国内では全く有名でもなかった頃にラジオオーストラリア放送の中で初めて聴いた。特に BCRと略して呼んだ事が印象に残っている。(BCLとBCRって似てる〜って一人ラジオの前で受けていた…)当時「ビートルズ」の再来とか騒がれていた割に消えるのも早く、中学を卒業する頃には全く耳にする事はなかったなぁ…

 その次は、沖縄の学校に進学し夏休みで実家に戻って来た時、高校の頃は父から BCL禁止令を出されていた事も有り、ほとんど電源も入れなかった真空管ラジオで久々にラジオオーストラリアを聞いてた時、オーストラリア出身の注目の 4人組だと紹介されたメンアットワークの曲を初めて聴いたんだ。
 当時は、学生寮で同室になった先輩の影響でローラースケートとローラーディスコにハマっていた事も有り、ディスコティックな曲調に一発で気に入ってしまい、翌年に彼らが世界進出し大ヒットを飛ばしたのが特に印象に残っている。最先端の音楽情報を時代遅れとも言える真空管ラジオで知る違和感と不思議な面白さ。そして、この 2つが、僕自身の BCL体験として大きな出来事でもある。三たび、そんな感動に巡り会う事が出来るかは疑問だが…

 現時点で確認できる短波帯で日本語放送を行っている国々は、下記の通りとの事。(未確認)

  • 東 アジア: 日本、台湾、韓国、中国、モンゴル、北朝鮮
  • 東南アジア: タイ、ベトナム、インドネシア
  • 中 近 東: イラン
  • ヨーロッパ: ロシア

 今、僕的に面白そうだと感じるのは、東南アジアと中近東の放送局だろうか。後は VOAや BBSの英語放送を聞いてみよう。以前は日本の土日しか放送していない局も有ったけど、既に小さな放送局自体は存続していない様子。

 まぁ、随分と少なくなったモノである。相変わらず放送時間は早朝と夜間に集中している。日中は会社に出社して仕事しているからラジオを聞いてる人はいない。だから放送しない。と、見事なくらいに割り切っている。確かに、とても合理的だしエコだと思う。そう考えると無駄のない、地球に一番やさしい放送メディアなのかも知れないな。
 今みたいに、ただえさえ予算を削られて面白くもないテレビ番組を 24時間垂れ流しでいるよりも、ほんの少し前の頃みたいに深夜時間の 4時間は完全に電波を止める、なんてことをしてもバチは当たらんと思うよ。

 いつも「言い訳」に使われる「再起動する時の電力消費量が大きいとか機械が冷えてて動作が安定しない」とか言うのって全て嘘だからさ。そんなもの、今の技術で解決していないはずはないし、仮に大災害で電気が止まったとしても、今だって起動後 30分もすりゃ電波は完全に安定しているじゃないか。
 全ての放送局が深夜の放送を止めりゃ無理して起きてる人もビデオ録画も止まり、自ずと各家庭で無駄な電気消費も抑えられから、その結果として国内全体で電力消費の緩和にもなる。いいコトだらけじゃないか。それに「その時間に起きている人のため」っていうのも嘘だから。そんな時間に仕事をしている人が、仕事中にテレビなんか見てるものか。皆、眠気覚ましには普通ラジオを聞いてるんだよ。

 現在の日本国内に住んでいる人にとって、気を紛らわせるような楽しい事なら他にいくらでもある。今更感の漂う短波ラジオを引っぱり出し、わざわざ聞く人もいなくなれば自然に淘汰されてしまう事は当然の帰結だろう。
 ネットがあるんだから短波ラジオに何の意味が有るんだって言われてしまいそうだけど、ネットは遮断される危険性もある。そういった意味では報道規制など、妨害する事が実質的に不可能な短波ラジオは中立の情報源でもあり、放送局さえあれば衛星も中継基地の必要もなく地球の裏側までも届く短波放送というメディアは地球上でも最強なのだ。災害時に強い事は誰しも異論を唱える事は出来ないだろう。
 
 ただ「番組を聞く」と言う目的であれば、短波ラジオは時代遅れも甚だしい。インターネット・ラジオの方がよっぽど安定しており、音もクリアで気持ちよく聴ける。僕らが中学当時の BCLとは「短波放送を聞く」楽しみという目的より「聞きにくい放送局を探しだして確認する」という感じの手段が目的となってしまった、勘違いから始まった趣味なのかもしれない
 デジタルの PLLシンセサイザーラジオは、目的の放送局の放送時間と周波数が判れば楽である。予め 10キーで周波数を入力し、メモリにプリセットしておけば、後は放送時間を待って聞くだけだ。息を殺して注意深くダイアルを回しながら放送局を探すという醍醐味は無い。時間経過と共に発熱で同調点がズレてしまい、ダイアルを戻そうとして見失う事も無い。当時の子供心をくすぐっていた宝探し的なワクワク感は無くなってしまっているのだ。

 結果論でしかないが、BCLが下火になったのは、当時の憧れの最高機種ナショナル・プロシードやソニーの PLLシンセサイザーラジオに代表されるデジタル受信機の台頭であったことは間違いないだろう。使用者の利便性を考え善かれと思って導入した事が、趣味性を台無しにしてしまった典型かもしれない。
 折に触れ、似たような事を色々な所で聞く話でもある。誰が悪い訳じゃ無いし、技術進歩とはそんなモノだ。ある意味では仕方無い事だが、その所為で市場を無くしてしまった事は、日本のラジオ界にとって悲劇以外の何者でもなかったのだろう。だからと言って製品を破棄し、開発自身を放棄してしも良い理由にはならないけれど、商売は「売れなきゃ意味が無い」訳で、やっぱり仕方なかったのかもねぇ…

 もっとも、今はラジオやテレビ等の放送局自身が、自身の存続をかけて模索している最中なのかもしれないが…

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One Response to 中華ラジオを買った(その 4)

  1. ピンバック: アナクロ? 短波ラジオ | 僕と犬とMacと

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