アナクロ? 短波ラジオ

 先日、近所にあるディスカウントショップ・ダイレックスで、朝日電気株式会社から発売されている AM/FM/短波ポケットラジオ「 ELPA ER-20T-N」を買った。お値段 1,890円、もちろん MADE IN CHINA。IMG_2059
 昔ながらの針で放送局を探して回るアナログなラジオ。デジタル表示部分が無いので、当然ながらタイマー機能は無い。残念ながらスリープもアラームも無いから「寝ながらラジオ」なんて出来ない。
 で、その正体は REDSUN社製 RF1201という中華ラジオの OEM製品ということらしい。

IMG_2083 購入理由は、単 3のアルカリ乾電池 2本で 100時間も使えるラジオを一台くらいは手にしておきたかったから。
 でも本当の理由は、昨年末に買った TECSUN PL-390が思いの外に使い易かったので、また 1台、短波を受信出来るラジオが欲しくなったのが実情。なぜだろうねぇ…
 何かと、しょーも無い理由を作っては「買ってくれ」と駄々を捏ねる子供みたいなのが僕の中に居て…
 ラジオが何台も家に有っても、どうせ暫らくしたら飽きて使わなくなると、買う前から想像がつくのに…

 条件に、単 3乾電池 2本だけで長く使える事。小型で軽量、持ち運びに楽な事。数人でも聴ける様にスピーカーが付いている事。イヤホンが使えること。本体内で充電が出来るのが望ましいが、あまり拘らない。という具合に設定してみた。
 大義名分に『防災ラジオ』を与え、飽きて使わなくなっても非常時に持ち出して使えれば良いから、と、言い訳を先に考えたわけだ。

PL210 最有力候補だったのは TECSUN PL-210という機種。乾電池 2個で動く PLLシセサイザー同調を持つダブルスーパーヘテロダイン・ラジオ。
 キーレイアウトは PL-390に似ているがモノラルスピーカーなので、その分幅は狭い。小型でも受信性能は高いとの事。値段は同じか少し高いくらい。
 短波の受信できる範囲がとても広く FM/AM, LW/MW/SWを混在させて自由に使えるプリセットメモリが 12ページ 1,700局分と異様に多いのも特徴。
 例によって USB端子を外部電源として、中に充電池を入れれば充電することも可能だと言う。

pl606 或いは TECSUN PL-606という機種。やはり乾電池 2個で動く PLL シセサイザー同調を持つ DSPラジオ。
 全体的に PL-390とほぼ同じ機能を持ち、受信性能もソコソコ有るらしい。ただし 10キーは無くモノラルスピーカーなので、その分 PL-390よりも小さく、値段も 1,000円ほど安い。
 こちらも USB端子を外部電源として、中に充電池を入れれば充電することも可能だと言う。
 同等の機能を持ち、さらに 1,000円ほど安い PL-505もあるけど、こちらは本体の剛性不足で下手すりゃ 1〜 2年で壊れるとの事だったので却下。

 結局、単 3アルカリ乾電池 2本だけで 100時間を超える使用時間を優先。手頃な値段で、ネット上でも値段の割に受信性能が高いと評判だったので、今回はコレでお茶を濁すコトにした。万が一、初期不良に当たっても近所の店なら交換できるし、価格も通販と変わらなかった事で購入を決定。
 電源には 100円ショップの充電池を使用した。単 3充電池 2本単位であれば太陽光発電パネルで気軽に充電する事が可能なので、本体内での充電機能には拘らなかった理由でもある。

IMG_2062 アナログ同調は、当然 PLL シセサイザー同調と違ってボタンで気軽に放送局を切り替える事は出来ない。
 チューニング・ツマミを動かす度に針は斜めになるし、左右端とも表示目盛と針のズレが出ている。
 受信出来たと思ってもバックラッシュが酷く、ツマミから手を離すと同調点がズレるのは御愛嬌。
 ローカル局を聞くだけなら問題ないけれど、目盛は大雑把過ぎて元々あまり当てにならない。探す際の目安になれば良いかって考えなら、その程度の働きは十分してくれていると思う。
 中波や短波を受信中、時間とともに同調点がズレ始め、途中から雑音が増えて来るのはイラっとする元となる。
 音量を大きくしてゆくと途中からビビリ音が発生する。スピーカーの本体への接着が甘いのか、あるいはラジオ自身の剛性が低いのか。買ったばかりなので分解して中を見たことが無いので確かな事は判らない。

 もちろん良い部分も有る。特にボリュームと電源スイッチが別になっているのは秀逸。そのボリュームも PL-390のようなクリック毎のステップ単位じゃ無く、自分の聴きやすい音量に細かく調整して固定できる。この価格でラジオの電源入れる度にボリュームを動かさないで良いのは、珍しいんじゃないかしら。
 もしかしたらアナログ同調回路のお陰で、内部からの発生ノイズが少ないのかも知れない。そのお陰で小さい音量でも、ちょっとは聴きやすくなっているのかも。

 この 1,000 〜 5,000円未満の価格帯なら、どれも似たり寄ったりの構成に違いない。真空管やトランジスタの時代じゃあるまいし今更ストレート回路やレフレックス回路とかはあり得ないから、中身は使い古した設計の ICを用いたスーパーヘテロダイン回路だと思う。もはやアナログチューナーだろうと PLLデジタルチューナーだろうと DSPでもない限り受信感度や選択度に大した違いは無く、どれも同じ様な物だ。
 違いを出せるとしたらスピーカーを駆動する音声信号を増幅する部分。大きめのスピーカーと聴き易いオーディオ回路を用意できるか否か、その程度。後はギリギリの原価と販売価格との相談だろうな…

 だとしても「今日は何が聴けるだろう」って目的も決めないで探し物にでかける気分ならアナログ受信機の方が、触ってて楽しいのは事実。しかも使ってて妙に安心するのは何だろう。
 ダイアルを見つめながら耳を澄まし、ゆっくりと動かす指先で注意深く何かを探り当てるかの様な感覚。赤い同調インジケーターの LEDが光った時の嬉しさとか、なんとも言えない気分になる。不便さを楽しいと感じるのだ。

IMG_2078 僕達の世代の人であれば、誰が見てもラジオだと直感的に判る形状。余計な機能がないため説明書を見ないでも、ひと通り使い始めることの出来る簡便さ。
 昔のラジオって、ほとんどこんな感じだったよねって、ただ懐かしいだけじゃない。妙ではあるが決して不愉快ではない、そんな不思議な感覚を呼び覚ます。
 目、耳、指先という全身の感覚をフルに使って、自分で放送局を選ぶ所作を直接的に知る。そんな単純な事実が、心の琴線に触れるのかもしれない。

 目で針の動きを追い、耳で雑音の中から目的の音を聞き分け、指先でツマミを回しながら探す。現代の技術からは逆行している「時代錯誤(アナクロニズム)」な感覚なのではあるが、中学の頃に真空管ラジオで BCLをしていた感覚って、まさしくコレだったなぁって記憶が囁く。
 その境界線は人それぞれで違っているだろうけど、自分のとった行動に対して期待している予測範囲内のフィードバックを自分の知覚と能力で処理しているという感覚は、不便で面倒だと言う感情を突き抜け、楽しいと思い始める出来事なのかもしれない。それは、ちょうど 1本の竿による「釣り」を趣味にしている人々の様に…

 もちろん番組を楽しむのなら PL-390の方が良いに決っている。PLLシンセサイザー同調のお陰で気軽に放送局を切り替えて聴けるのもいいし、ステレオスピーカーのお陰で音だって良い。でも、残念ながら初めて触る人でも直ぐに使い方が判るという製品では無い。
 ココらへんを日本人の持つ特有の感性をフルに使い、思い遣りと気配りを技術に昇華させて改善できたなら、再び世界的なヒット商品が生まれるかもしれないヨ。かつて世界を席巻した SONYや Panasonicや東芝とかが互いに切磋琢磨しながらアイディアを出して再び頑張ってくれないかなぁ…

 「放送内容を楽しむ」ラジオ本来の機能からしたら比較しようもない。とてもじゃないが PL-390には敵わない。
そりゃあ、値段も 3倍以上も違うし…と、負け惜しみを言ってみる。
 でもソレにしたってインターネット・ラジオや有線放送には敵わないんだけど、さ。(^-^;)

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3 Responses to アナクロ? 短波ラジオ

  1. ピンバック: 中華 OEMラジオ再び(その1) | 僕と犬とMacと

  2. ピンバック: 中華 OEMラジオ再び(その2) | 僕と犬とMacと

  3. ピンバック: 音が出ない、電源が入らない… | 僕と犬とMacと

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