国内に野生の犬は存在しない

 日本国内には、かつて「山犬」と呼ばれていた犬みたいに生まれて死ぬまで野で生きる犬は、もはや存在しない。それは明治の終わりには既に「日本オオカミ」続いて「エゾオオカミ」も絶滅していたことからも判るだろうけど、日本人が害獣として排除した途端、四方を海で仕切られた島国の中では、どんな動物だって生きる事は不可能だ。
T00 しかし現代の日本国内においても、野犬や野良犬という存在があることは事実である。悲しいかな、それらは自ら飼主により野山に遺棄され飼育放棄された飼犬が殆んどである。
 特に近年、飼主による殺処分所への持込みが有償化されてから、全国的に再び成犬の捨て犬が増えているといった話を耳にするようになった。

看取る気が無いのなら動物を飼う資格はないだろう

非常事態に備えて(その7)

 これらは「いかに無責任な飼主が多いか」という事実を雄弁に物語っている事例と言えるだろう。とにかく飼育には金が掛かる。幼い動物を見た瞬間に感じる衝動的な「可愛さ」の感情だけでは動物を飼い続ける事は出来ない。
 最初から一切の苦労を拒否し、単に犬を可愛がる「優しい自分」に酔いたいだけの人なら、近所の動物園に行くだけで我慢してくれていたほうが本人も動物も幸せになれる。自分以外の他の命に関わると選択をした瞬間、つまり、社会の中で暮らすと決めた瞬間から、必ず権利と共に義務と責任を一緒に背負うのを無視してる人が多い。

 そういう意味では、結婚も育児も教育も全て同じだと言える。誰かと共に暮らす、誰かを育て一人前にする、他人に迷惑をかけずに社会生活を送れる様に教え、導き、育てる、という事は、例え自分が面倒になったからと途中で放り出し、責任を自分以外の誰かや社会制度に押し付ける、それで済むものではない。
 指導する側に立った者は、自分の手を離れる最後の瞬間まで保護下に在る者に対し責任を持って当たらなければならない義務があり、それが絶対的な使命でもあるはずだ。その責任さえ放棄しているから子の側から見ても尊敬にも値しない親や教師が増えていると言う訳だ。

 自らが飼うと決めた筈の「飼犬」や「飼猫」に対して、いとも簡単に責任を放り出す様な親の姿を見て、子供は何を思うだろう。当事者の言い分として「他者がどう思おうと関係無いという教育を受けてきた」と言うのかもしれないが、自分たちが産み育てる子供たちから尊敬されたいと考えるなら、尊敬に値するだけの行動を示して見せる必要がある。誰も「建前」や「言葉」だけの者へ対して尊敬の念を持つはずが無い。
 昔から言う「子は親の背中を見て育つ」の意味を、今一度かみしめる必要があるのでは無いのか。最後まで責任を持つと決めたなら、途中で放り出してはならない。自分にとって、どれほど「正当な言訳」を並べ立てたとしても、捨てられた側からすれば「途中で責任を放棄して逃げ出した裏切り者」とい事実は変わらない。

 動物を野生に返す、自然に返すというと聞こえは良いが、そもそも全ての犬は「イエイヌ類」に分類され、その名の通り既に 1万年以上も人の近くで生活しており、狼の様に完全な自然の中で野生の犬として暮らしたことがない。長い年月の末に遺伝子レベルで大幅に変化していから、もはや自然界で生きることは出来ない。
 仮に、どんなに山奥で捨ててこようとも車道をつたって人里や人の生活圏内に戻ってくる。その結果、通報により「野良犬」あるいは「野犬」として捕獲され殺処分されてしまう。

 さまよっている時間が長ければ長いほど人間不信になっているから、せっかくの里親を探す機会さえも失われてしまう。仮に攻撃性があったとしても、それは無責任な飼主の元で飼われた結果であり犬自身の責任では無い。
 元凶である飼主は責められず飼犬だけが殺処分されてしまう現実。それを「仕方ない」と言う言葉しか無い風潮。それが今の日本という国の現状だ。もっとも、そう言って嘆いてるだけでは意味は無い。僕は僕の力の及ぶ範囲で、自分の周辺だけでも改善してみようと考える様になった。

 具体的には、近隣に「一人でも良い飼主を増やす」という活動だ。僕には何の力も影響力も無い。しかし、考えに賛同してくれる人が少しでもいれば、共に環境を作り、一緒に行動することで力に変えることが出来る。
 僕らに感化される人が少しでも増えてくれる事を期待する。近い将来「飼ったら看取るまで面倒を見る」ように、当たり前の事を、当たり前と考え、当たり前に出来る、そんな当たり前の環境が当たり前に在る事を願う。

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