居ないのも寂しい

 諺にも「来るモノは拒まず、去るモノは追わず」とは言うけどさ、それまで居たのが急に居なくなるのは寂しい。日頃より「居ても居なくても、どちらでも良い」と口にしてても情が移れば、そんなモノなんだろうね。
 10ヶ月ほど前から我家の飼猫になった元野良猫のスミレが今週の月曜 7月 31日の朝、散歩中にリードを着けたまま遁走して今日で早 1週間である。強い台風 5号が近づいているのだが大丈夫だろうか。

 青いリードを着けたままなので誰が見ても一目で飼猫だと解るだろうけど、何かにリードが絡みつき知らない所で身動きできなくなっていないかが心配だ。2度ほど縄抜けをした事が有るから何とか出来るだろうが。
 飼主である僕以上に近所の皆様方が心配してくれてて、特に「犬も猫も嫌い」と言ってた方からは、ほぼ毎回顔を合わせる度に「まだ戻らないのか?」と聞かれるし、犬友達からも「今日、猫ちゃんは?」と尋ねられる始末。

 この 5日間、時間ある毎に宮崎市の保護犬猫情報をアクセスして見たり、散歩でもちょっと遠くまで足を伸ばしてみたり。もしかしてって飼犬との散歩中に普段は行かない道へ入ってみたり。
 何となく探せば探すほど益々遠くに行ってしまっている様な、そんな気もしないでもないのだが…

 元々スミレと名付ける前は、生後半年以上も大空の下で自由を謳歌していた野良猫である。
 小腹が空けば、庭で蝶や甲虫、トカゲにカエル、最近は蝉を捕まえては遊んだり普通に食べたりしていた。
 それに、これまでにも何度か自宅の窓から脱走したり、散歩中に遁走したりしてて、既に今回のを含めると計 7回となる「前科持ち」の常習犯だ。
 その都度 1 〜 2時間から半日、翌日には自ら戻って来てたので、今回もそんな程度だと高を括ってたんだ。

 日中は犬と一緒に、ずっと庭に繋いでたのだが 7月末の日中の異常な暑さは僕も少し堪えてた。
 恐らく彼女も涼を求め、どこか涼しい所へと逃げ出したのではないか?
 やっぱ猫には今年の夏は暑すぎたのかも。或は、これが俗に言う「解離性遁走」って奴なのかも知れないね?
 遁走した直後 4 〜 5時間、昼過ぎ迄は自宅周辺にいた。姿を見つけて追いかけたけど逃げられた。

 スミレの名を呼ぶと普段なら自ら寄って来るんだけど、今回は身柄を拘束されるのを嫌うのか僕の顔を見て 1声鳴き、スルスルと他人様の家屋敷を器用に逃げ回って一度も近寄ってこようとはしなかったんだ。
 夜半頃に、ちょっと遠くで声が聞こえていたのだけど、声の方に近づくと鳴き止み、しばらくするとまた別の所で鳴く声が聞こえ、そのうち聞こえなくなった。自在に動けるうちは大丈夫だろうと、その日の夜は諦めた。

 犬友達からの目撃情報によると、翌日 1日の朝頃までは近所の水路付近をウロウロと歩き回っていたらしい。
 翌日・翌々日と近所の人や犬友達まで巻き込んで散歩道を中心に近所から少し遠くまで探したけど、姿は見えず鳴き声も聞こえない。
 仕方無いので諦めて自ら戻って来るのを待つ事にした。先日夜の声が「さよなら」の挨拶だったとは、どうしても思えないのでね。「ちょっと待ってて」位かな?

 猫故に何となく1ヶ月後の少し涼しくなった頃に何気ない顔して犬の隣に寝てる感じもしてるのだけど、以前より発生していた迷走台風 5号の影響で 3日の未明から早朝にかけての激しい雨。
 濡れ鼠になって玄関先に突っ立ってないかなと、少しばかり期待していたが、あまりに甘々な幻想だった様だ。

 一般的な家猫の行動範囲は 100m四方で、野良猫の行動範囲は 500m四方との事。もし普通の猫が迷子になったら自宅周辺の物陰/等を探せば良い筈なのだが…

 今まで我が家の飼犬と徒歩で出かけた散歩道は、生目神社から大淀川の河川敷までを含む半径 1.5km円内の範囲に渡っている。
 普段はそこまで広範囲じゃないけど、スミレは僕の肩に乗りながらでも野良猫に比べても遥かに広い範囲を一緒に自らの足で半分以上を歩き回っていた事になる。

 もしかしたらスミレは明確な自身の意思を持って帰ってこないのでは無いのか、とも感じている。
 彼女は散歩の時、割と遠くからでも我が家の位置をはっきりと知って家に戻ろうとしていたから。

 元から飼猫ではなかったのかと勘違いするくらい初対面の人でも膝や肩に乗る様な人懐っこい猫なので、あるいは保護されて直ぐその家の猫になってしまっている可能性も高いんじゃないだろうか、なんて事も言われている。
 今は夏休み期間中で日中も近所で子供が遊んでいるし、人馴れしたスミレを気に入った子供が勝手に家に連れ帰りエアコンの効いた室内にいる可能性も高いよね、なんて気休めでも言ってくれる。もしそうなら、どれだけ良いか。

 飼うと決めた際に、避妊手術だけは済ませておいたので勝手に繁殖し増えて戻ってくる恐れだけは無い。その点に関しては安心だ。
 他には家の敷地内や道端で糞尿を放置して人様に迷惑だけかけないでいてくれたなら、宮崎市内に住み続ける限り冬でもゴミ漁りなどせずに食料を狩る事は出来るから丈夫に生きていけるだろう。

 僕自身、今の今まで勘違いしていたけれど、元々猫も犬も本来は僕の所有物じゃ無い。僕らは、それぞれに自由な意志を持つ個体であり、自らの意志で僕と一緒に暮らしている仲間という存在だったんだ。
 現代の人社会で暮らしている中では、動物と一緒に暮らす権利を有すれば当然、社会における保護者として義務を負いはするけれど、あくまでも其れは人社会の一方的な都合であり彼らには一切関係のない話だ。

 そもそも最初からして彼らの行動を縛る事は出来ない。彼ら自身にしても、元から勝手に住み勝手に出て行く権利を有している。僕には、それを止める術も力も権限も無い。
 持ってると勘違いしていたのは僕自身の誤り。誰に何の断りもなく「一方的に決めた規則」に僕も毒されていた。素直に認めて赦しを請おう。スミレだって自由意志で遁走した訳なので、気が向けば戻って来るだろう。

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